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2023年11月23日(木)-12月3日(日)
たしかにつながっている tobo Yoichi Yamada
at kiik 東京都渋谷区西原3-1-4 Vines代々木上原202
月 14:00〜20:00 / 水-日 13:00〜20:00 詳細はこちら
2022年4月2日-10日 つくばアートサイクルプロジェクト <終了しました>
【時 間】10時~17時(最終日15時まで) ●さくら民家園●10時〜16時/水曜休館日
photo by Yoshiki Shigematsu / ceramic art pieces by Chisato Yasui
いけばなは、"境界"です。いけばなは、「こちら」と、「あちら」を隔てていて、花はそのインターフェイスにあります。
神の依代として常緑樹を"立てた"というのがいけばなのおこりとされています。つまり、いけばなは天-地の垂直なラインの中間におこりました。それは、常世と現世の時空間のインターフェイスをつくりました。
photo by Yoshiki Shigematsu / ceramic art pieces by Chisato Yasui
インターフェイスにあるいけばなは、こちらとあちらの両極をつなぐような、どちらにも向いてうごいていけるような、両方向の矢印のような性質があります。
そもそも「花」、というのが、生物的には栄養成長の頂点としての"生の顔"と、生殖成長の開始という"死(もしくは転生)の顔"の、両方があります。また、それを「いける」、というのは"生ける"や"活ける"、のようにイキイキ系にもかくし、一方で"埋ける"(埋葬系)ともかけます。
またそもそもいけばなは、自然界の花を"切る"ことからはじまる、"反自然"なのですが、それこそ利休いらい、「花は野に有るように」、すなわち"自然"にするのが良いとされていて、なかなかの難題を抱えています。
いけばなでは、昔からある"型"をゆっくりと反復し稽古します。そこでは個性とかイノベーションみたいな突発な性急はあまり大事ではなくなります。そのかわり、長期的には、型の反復、振動をもって型を超えていこうという、謎の戦略をとっています。
いけばなは、両儀的な「花」を使った両儀的な表現を利用する、妙な矛盾をひっくるめた高度な論理装置のようです。このため、いけばなは、浮世にはびこりがちな二項対立のような、合理化のような、単純で窮屈な図式を超えていけるような力をもっています。あくまでさりげなくですが。
photo by Kenji Ohtani / UTSUWA by Dai Suchi
いけばなの謎の構造は、そのまま、ふつうに生きること、生活することの謎と相似するようです。なのでいけばなは、日々の良く生活すること、なるべくまじめに気分よく生きること、のための技術になっている気がします。
部屋のどこかに、花を一輪だけいけてみた瞬間の時空間の変化を感じてみること。無機的と思えていたかもしれない普段の部屋に、花という全く別の論理を入れると、そこには一日の時間の周期、一年の季節の周期が現れ、うごきだし、またもっと果てしない時空間の理屈や力の関係も出現します。
その入り口はいつでもどこにでも、とても簡単です。
いけばな / あわいあわい
いけばなは、日本の自然のみかたや考えかたを凝縮した、そうとう特異な技術です。
トボは、“イマココ”と“イマでもない、ココでもない”の淡い間にたゆたっているような、不思議ないけばなということを、見つめたり、考えたりしています。
そのために花を使う時もあるし、使わない時もあります。